損害賠償請求

廃車にされた車の損害賠償請求

原因はどうあれ、自分の責任ではない理由で車を廃車にされてしまった場合、損害賠償請求の対象になります。これは相手との示談で手を打つこともあれば、裁判で争うようなこともあります。
しかし、往々にしてこのような場合、保険会社が間に入って示談にすることが圧倒的に多いです。

保険会社には、共通のマニュアルとして事故が起きた場合の過失責任割合をまとめたルールがあります。過去の判例などから定められた不文律ですが、大抵の場合このマニュアル通りに示談が進み、過失割合が少ない側に弁護士の関与がある場合は、多少損害賠償金額を上乗せするという形で処理されています。
このルールは、ほとんどの事故に対して適用が可能なようになっています。また、保険会社にはレッドブックと呼ばれる、各車種の年式ごとにまとめた車両価格の目安が決められており、実際の金額の算定をこの基準に基づいて行うことになります。

そのため、廃車にされてしまった際の損害賠償請求額は、レッドブックに出ている自分の車の価格から過失割合を相殺し、残った割合をレッドブックの価格に乗じて金額が基準になるわけです。

この過失割合は、自分に非がなくてもゼロということは少なく、完全に停止している状態でない限り過失がゼロということはあり得ません。
例えば、信号で後ろからぶつけられて廃車となった場合も、自分が停止直前であれば「車は動いていたから注意義務がある」ということで、どんなに相手に非があっても5%程度の過失相殺がされます。

しかし、過失相殺がされないケースも当然あります。完全に停止しているような場合、過失割合がゼロになることもあります。
もっとも、停止していれば絶対オッケーというわけでもなく、他の車の邪魔になるような停止状態にあれば、過失相殺の対象になってしまいます。
保険会社も少しでも支払額を減らしたいので、可能な限りの難癖をつけてくるのです。

とはいえ、天災による水没のような場合は過失割合がゼロですから、レッドブック通りの車両価格を損害賠償金額として保険会社に請求することができます。
もっとも、このような請求ができるのは、車両保険に加入している場合だけですから注意が必要です。
天災の場合、基本的に誰にも損害賠償請求はできないので、保険会社に代理として請求するのです。

ともあれ、ほとんどの場合、廃車にされるような大事故を起こされたとしても自分に過失があると認定されるため、思ったような請求はできないと思った方がよさそうです。
廃車になるほどの大事故なのに割が合わないと思われるでしょうが、これが現実なのです。